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読書日記2007

2007年1月

環境が変わると今まで流し読みしていた本が突然面白くなることがありますが、悪魔とプリン嬢が まさしくそれ。
どのへんがツボだったかというと、舞台が過疎のシケた町というところです。(笑
フィクションは都会的な話が多いので、小さな町のシケっぷりを詳細に描写したのを読む機会がなかなかなくて。
シャンタール・プリンの住むヴィスコスという町は、人口281人、子供の姿がなく、シャンタールが一番若い娘だった。
人口281人でホテルがある(地元特産品の売店と郷土料理のレストランとバーを兼ねている)のは立派だが、
それはこの町が国境に近いから。
ローマ人やケルト人がいた町。ローマ人がいたのは自慢だが、犯罪者の隠れ家になったという棘のような歴史もある。
思えば田舎町というのは風光明媚だとか住民が親切だとか環境が良いとか美化されることが多いが、
その実退屈で刺激が少なくて、将来の選択肢が少なく、 明日何が起こるか予見できてしまうし、義務感と善意に押しつぶされそうになるところだ。
ある日、都会から異邦人がやって来る。
シャンタールに性的な興味を示さない、とても慎み深い珍しい客。
その異邦人は、平和な村に事件をもたらした―

クレジットカード、武器商人といったいくつかの単語が現代の物語だということを示す一方で
人の内なる善と悪をテーマにしたこの宗教色の濃い物語は
絶えず過去への強い引力を感じさせます。
新しいような、古いような。
何処かへ旅をするための物語です。

ファンタジーにしては現実に近すぎるのが美点と欠点両刃の剣な鋼の錬金術師
その15巻はリザの回想から始まるイシュバール殲滅戦、
アメストリス軍の若い兵士たちの心の傷に迫ります。
戦争を描くにあたって荒川氏はかなり丁寧なインタビューを行ったそうですが
それでも、取材だけで戦争は描くことができるのか、疑問です。
よく忙しいことを戦争にたとえますが、 そういう判断力を失わせる環境の中で人道性を語る若者がこんなにいるってすごく違和感があります。
大義というシャッポをかぶった人間は、別の「何か」になってしまうことがままあります。
そーいうところを無視しているのが、外側から戦争を見ているという気がしてならない。
当事者じゃなくて外国で取材中の戦争カメラマンに近いような。
「一は全、全は一」の錬金術のテーマの解釈にもちょっと疑問がありますが、こちらは「ハガレンの錬金術」として 納得するしかないかなーと思います。