| 2007年2月 家で子供に英語を教えている。いや、一緒に参考書を読んでいるだけだが、これがけっこう面白い。 寛大なことに長男は親の発音が悪かったり単語を知らなかったりしても全然責めない。 現地校では教科書は教室に置きっぱなしで数学国語(英語か。)の類まで教室を移動するので、 宿題以外の勉強はスタディガイドなるものを書店で購入して読むのみ。 こんな勉強方法がどの程度役に立つのかわからないが、全くの無益ということはないだろうと信じて苦行は続く。
ハイスクールは5年制。前半の2年間がジュニアで義務教育で必修科目が多く、 後半の3年間のシニアで選択科目が増え、大学進学に直結する勉強が始まる。 どうして学校制度の説明をするのかというと、ジュニアのスタディガイドの表紙がデッサン人形の絵なのだ。 シニアの学年になるともっと本文の内容に沿った表紙になる。 教育家はハイスクールのジュニアとはデッサン人形のように人間(humankind)の原型みたいなもんだと主張したいのだろうか。 ハイスクール1年生に当たるYear9の英語のスタディガイドは学生生活の水先案内人でもある。 まだまだ生活作文のようなものが多いので、授業や日常生活に必要な単語がこの本からかなり拾えるのだ。 全体はパート1からパート5に分けられ、 それぞれセクション→チャプターと細分化される。 パート1はKEY SKILL。 English Toolboxと題して、辞書やPCといった学習に必要な小道具を紹介したり、 Exploring English、文法のおさらいがある。 パート2はWRITTEN LANGUAGE。 さまざまな種類の文章を読みとく技術を学ぶ。 続いてパート3で作文、パート4ではノンバーバルな情報伝達、パート5ではスピーチやインタビューを学ぶ。 現在パート2を読み進めているのだが、 たまに日本の国語の教科書じゃありえないような内容の例文にお目にかかるのが面白い。 たとえば4コママンガを文章化する練習問題。 もちろん笑えるオチがある。 また、ある短い小説の抜粋にはびっくりさせられた。 女房に逃げられた男とティーンエイジャーらしき息子のダレダレ生活の描写だからだ。 ごはんにはフィッシュ&チップスばかり食べているし(つまり買い食い)家の中は散らかし放題。 金曜の夜ともなれば親父は息子そっちのけで仕事の後ひと遊びしてからじゃないと帰らない。 息子は唾液が口の中にたまってくるのを感じながらじっと待つのだ。 そして10時すぎに陽気な親父が食べ物をかかえて帰宅する。 ふたりはテレビの前にありったけの食料を並べてだらだらとながら食いするのである… ――ざっとこんな内容。美しい話か可愛そうな話しか載らない日本の教科書を思うとすごいセンスだと思う。 英語の勉強なのか人生の勉強なのかわかりゃしない。面白いけど。
英語のスタディガイドはまたDVDの視聴にも役立つ。(嘘じゃないよ)今私は聞き取りの練習に日本アニメの英語吹き替え版を使っている。 ナチュラルスピードの英語は栓を抜いた風呂桶から水が流れるがごとくに脳味噌から流出し、 さりとて学習用のリスニングCDではゆっくりすぎて実際の役に立たない。 レーティングPG(Parental Guided)とはいえ 子供の視聴を前提としているため使用語彙が限定されているアニメDVD、 かつ声優のクリアな発音でリスニング練習ができる吹き替えもので 聞き取り能力の向上を図ろうというつもり。 たとえば「鋼の錬金術師the movie シャンバラを征くもの」で 北方で雪まみれになって歩哨をつとめるマスタングのもとを訪ねるハボックとブレダの会話。 英語は聞き取った通りに書いてるだけなので文法的におかしくても勘弁してほしい。 I haven't use alchemy once since that day.英語の吹き替え台本ではセリフを増やすのでI start you now none.に相当する日本語はない。 が、startのこういう使い方(いいわけする)はこの年になって初めて知った。 これが英語のスタディガイドにも出てくるので、複数のテキストで意味が確認できるわけだ。 (*英語セリフ中、"I gave that up,too."は この引用直前にマスタングが大佐の階級を返上したことを同じ表現で言っていて、 繰り返しになるからtooがつく) 勉強といえば、正解のある問題集や過去問で最短距離を一直線なやりかたが多いが こんな寄り道だらけの趣味な勉強はどうだろう? その気になれば参考書だって”読書”できるのである。 |