Ave Maria by Josquin Desprez(ca.1440-1521)

Ave Maria, gratia plena
Dominus tecum, Virgo serena.

Ave coelorum Domina,
Maria plena gratia,
coelestia, terrestria,
mundum replens laetitia.

Ave cujus nativitas,
nostra fuit solemnitas,
ut lucifer lux oriens,
verum solem praeveniens.

Ave pia humilitas,
sine viro fecunditas,
cujus annunciatio
nostra fuit salvatio.

Ave vera virginitas,
immaculata castitas,
cujus purificatio
nostra fuit purgatio.

Ave praeclara omnibus
angelicis virtutibus,
cujus fuit assumptio
nostra glorificatio,
o Mater Dei, memento mei,
amen.


(抄訳)
めでたし、マリア、主の恵みにみてるもの、主はあなたと共にあり、清き乙女。
めでたし、天の主、恩寵満てるマリア、天と地と、世界を喜びで満たす。
めでたし、マリアの誕生、それは我らの祝いごと、光をもたらす光が昇る、真実の太陽に先立って。
めでたし、敬虔なる慎み、男によらず懐胎し、その告知はわれらの救いとなる。
めでたし、まことの処女、汚れなき貞節、あなたの清らかさはわれらを浄化する。
めでたし、全ての天使の美質にまさる輝かしさ、その被昇天はわれらの栄光となる。
おお、神の母、私を思い出して下さい。アーメン。

解説―モテット:アヴェ・マリア  ジョスカン・デ・プレ

聖母マリアは、単なるイエスの生母にとどまらず、理想の女性として崇められ、
民衆の信仰の対象になっています。
キリスト教は本来父性的要素の強い宗教ですが、
431年のエフェソス宗教会議でマリアの神性が認められて以来、
マリア崇拝が公に認められました。
救い主の誕生を祝うクリスマスに、
その母であるマリアを称える歌を捧げることは特にふさわしいと言えるでしょう。

盛期ルネサンス最大の作曲家、ジョスカン・デ・プレは、
当時ブルゴーニュ・ハプスブルク家の支配下にあったピカルディ地方(現在のベルギー)で生まれ、
1459年にはミラノの聖歌隊に所属していました。
システィーナ礼拝堂、イタリア各地の宮廷、フランスの宮廷で活躍した彼のことを
音楽に精通していた司祭マルティン・ルターは
「他の作曲家たちは音に支配されているが、ジョスカンだけは音を支配している」と評しました。

おまけとして、幼稚園の時に習ったマリア様へのお祈りを…
★めでたし、聖寵(せいちょう)充ち満てるマリア、主御身と共にまします。御身は 女のうちにて祝せられ、御胎内の御子イエズスも祝せられ給う。天主の御母(おんはは)聖マリア、罪人(つみびと)なるわれらのために、今も臨終の時も祈り給え。 アーメン。