
Cantigas de Santa Maria 327: Alfonso X of Castilla, El Sabio
Porque ben Santa Maria sabe os seus does dar,
muito per faz gran folia quen lle vai o seu furtar.
Onde, se m'oyr quiserdes, daquesto vos contarei
un miragre mui fremoso que fez a Madre do Rey
Jhesu-Crist' en Odimira, como vos ora direi,
u ela fez ende muitos outros en aquel logar. ・・・
(抄訳)聖母マリアは贈り物をいかにしてわれらに与えるかをよく知っているから、
彼女から盗んだ者はとても愚かなことをしたものです。
それではお聞かせいたしますが、
オディミラの王イエス・キリストの母
マリアの起こしたすばらしい奇蹟のことを、
ご存知ではありましょうが・・・
聖母マリアの頌歌集 賢王アルフォンソ10世(1221-82)
13世紀のカスティリア王アルフォンソ10世は多くの著作を残しましたが
とりわけ心を傾けた仕事のひとつに、この頌歌集の編纂がありました。
聖母マリアの頌歌集は、400以上の単旋律歌から成り、
中世のスペインで文芸語として愛用されていたガリシア方言(ポルトガル語に近い)によって
聖母マリアの奇蹟の物語が歌われています。
当時はイスラム社会とキリスト教社会の間に密接な関係があり、
当然のことながら音楽もアラブの影響があると考えられています。
多くの曲はヴィルレー(virelei:refrain/verse/refrain)形式であり、
聖母マリアにまつわる伝説を歌っていく中、
10曲ごとに聖母マリアをたたえる叙情的な頌歌を交えています。
上では327番のリフレインと第1節の歌詞を紹介しましたが、
物語の内容は、聖母マリアの祭壇から祭壇用の布を盗み出した僧が
その晩、足がねじれてしまって、痛さのあまり聖母に許しを乞う、というものです。
冒頭部の語り、リフレイン、歌による節を繰り返して物語は進行します。
Cantigas de amigoのような中世の音楽は
主旋律の楽譜しか残っていない場合がほとんどなので、
テンポ、伴奏などは演奏者が、民族音楽等の資料を参考にして、想像をまじえた解釈を行い
即興的な要素を入れて演奏するのが普通なので
演奏者によってはかなりテイストがちがうことがあります。
これも古い音楽を聴く楽しみのひとつです。