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*****テレビアニメのお部屋*****

23.ドイツ語版『ヒカルの碁』




ドイツでは少年ジャンプの現地語版の月刊マンガ雑誌"BANZAI!"が発行されていて、私の大好きな 「ヒカルの碁」も連載中、単行本も順次出版されています。
ドイツのアマゾンで単行本の1・2巻を取り寄せたので、内容の一部をご紹介してみましょう。

印刷コストを抑えるために印刷原版を使わず単行本をスキャンして作っているようで、そのため絵がやや荒くなっています。
体裁は丁度コンビニで売っているリミックス版マンガと同じです。日本版とドイツ語版の各巻の内容は同じになっています.


表紙です。
タイトルは日本語をローマ字化しただけの"Hikaru no GO"。
オリジナル単行本と同じく右綴じになっています。
裏表紙ではあらすじを紹介。


(現在は1巻の表紙はこうらしい)

横書きのドイツ語に合わせて左右反転(裏焼き)・左綴じで製本すると、絵が不自然に見えたり人物が全員左利きになったりと問題が多いので、BANZAI!のシリーズでは左右反転していません。そのかわり

右綴じ本の最後のページすなわち左綴じ本の1ページ目にあたるところに、MANGAの読み方のインストラクションがあります。本の最後のページから読み始め、コマやフキダシを右から左、上から下に読むように4コママンガを使って番号で指示しています。

本文はこんな感じです。
ドイツ語の2人称にはdu(ihr)とSieがありますね。
大人が子どもに話す時、子ども同士で話す時はduを使っています。アキラとヒカルは初対面でもduで話しています。佐為とヒカルもduで話します。


ほったゆみネームの日々、カット、囲碁入門等も翻訳掲載されています。
「ネームの日々」は"STORYBOARDTAGEBUCH"。
横書きだけどカタマリごとに右から左へ進んで読みます。

翻訳はとても細かく、文字という文字はほとんど訳されています。
書き文字も全てドイツ語に直しています。
じーちゃんの賞状、建物の看板、非常口の表示・・・


←テスト問題まで翻訳・・・!
江戸幕府についてコマの外に注をつけて説明しています。

ほとんど全て訳しているといっても、
日本語の固有名詞や囲碁の専門用語のほかに
「くん」「ちゃん」「先生」といった呼称は日本語のまま残し、注で補足説明しています。

囲碁用語の中でチェス用語で代用できるものは翻訳されています。
詰碁→AUFGABE
手筋→TAKTIK
など。


加賀の扇子にある「王将」の文字は直していません。
「扇子の文字:チェスの王様」と注が入っています。
将棋は"SHOGI"で「日本版のチェス」と説明されています。

ちょっと過剰な説明も。


囲碁大会の会場である海王中学に行くシーンでは、ドイツの読者に対し、日本の私立学校について説明する注があります。

*PRIVATSCHULEN: NEBEN VIELEN STAATLICHEN SCHULEN GIBT ES AUCH VIELE PRIVATSCHULEN, DIE OFT ZU UNIVERTSITAETEN, HIER ALSO ZUR KAIO-UNIVERSITAET.
(私立学校:多くの公立学校の他にまた多くの私立学校があり、それらは大学付属のものが少なくない。つまりこの場合海王大学付属となる)

・・・海王大学。 本編には出てきませんね。初耳です(笑)



2巻掲載のネームの日々Bでは、連載当初、ほったさんが19歳と紹介されたエピソードが語られていますが、なんと注で

*YUMI HOTTA WURDE 1957 GEBOREN UND WAR DAMALS 42 JAHRE ALT.
(ほったゆみは1957年生まれで当時42歳だった)

ですと。(爆笑)わかりやすいですが、これって説明しすぎなんじゃ・・・



「段」の説明も・・・

**DAN: VERGLEICHBAR MIT DEN MEISTERGRADEN IM KAMPFSPORT(AB DEN SCHWARZEN GUERTEL)
(段:格闘技の段位(黒帯以上)と同等)

達人ぽいですね。



ドイツ語でもかっこいいなあと思ったシーン。

加賀が10分で勝負をつけると予告して、その通りにしてしまった場面です。

「ま・・・負けました」
「よし 10分!」

ICH GEBE AUF (I give up.)
NACH 10 MINUTEN! (After 10 minutes!)

どうでしょう?
対戦者のセリフを受けてうまい具合に訳していると思いませんか?




巻末には、囲碁を独習できるサイトや、ドイツ・スイス・オーストリアの囲碁協会のHPと連絡先を紹介しています。
また、BANZAI!コミックスの既刊の広告があります。



実は、東京・市ヶ谷の日本棋院会館に、各国語に翻訳された「ヒカルの碁」が展示されています。日本のマンガが本当に世界中で読まれるようになったのだなあと実感することができます。



MAI2005